2007年03月09日

内緒の話

微生物が発見されるまでは、藍藻やキノコを植物と見なすことにさほどの違和感はなく、このまとまりが疑問なく受け入れられていた。しかし、様々な生物が発見され、その性質が知られる内に、2界説の枠組みに疑問が投げかけられるようになった。具体的には、細菌類と藍藻類は原核生物であるからモネラ界へ分けられ、菌類は退化した植物ではなく、独自の進化を遂げた生物と考えられることが多くなった。この傾向を決定づけたのが、ホイッタカーの5界説であった。しかし、この段階でも、藍藻類を含めた光合成生物が、一つの系統的なまとまりを形成するという考えは暗に認められていた。

それが崩壊したのは、分子遺伝学的情報が利用可能になったこと、原生生物各群の研究、特に微細構造の解明が進んだこと、そういった中から、細胞内共生によって、多様な原生生物が独自に藻類化したらしいことが明らかになったためである。

たとえば、ミドリムシ類は緑藻類と同じ光合成色素を持っている。したがって系統上は近いものと考えることができたわけである。しかし、近年の考えでは、これは全く系統の異なった原生生物が緑藻類を取り込み、自らの葉緑体としたものだと考えられている。つまり、光合成能力は、その生物の系統とは関係なく得られると考えられる。したがって、現代では、藻類というまとまりに分類学的意味を見いだすことはできなくなってしまった。
posted by ぷりんと at 15:01| Comment(1) | TrackBack(0) | 管理体制 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする